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「S」の売り上げもATMを設置した店舗では上がっている。
05年に宮崎、佐賀、岐阜などでATMを設置したところ、店舗売上高が数ポイント上昇した。
客層が広がり、客数増につながっていると見られる。
とはいえ加盟店主は、S銀行の設立当初、ATMを異物のような存在として遠巻きに見ていたのは事実だ。
もし客がATMの操作方法を従業員に聞いてきても、操作方法を直接教えることは法律で認められていない。
このため、ATMに組み込まれている電話を使うようにお願いするしかなかった。
暗証番号を聞いて、従業員が変わってATMを操作することもご法度だ。
S本部は加盟店主に対し、店内にあるコピー機と同様にサービス業務の推奨という形で、ATMの利用を促すことを依頼した。
加盟店にとってATM設置のメリットは利益面での貢献が大きいという面もある。
ATMを設置すると加盟店主には固定・従量併用で委任料金が支払われる。
利用件数が多ければ多いほど加盟店主の実入りは良くなる。
S銀行やSは、なにも画期的な金融商品を提供する企業ではない。
公共料金の収納代行に見られるように、既存の銀行から見れば儲からなかったり、事務処理に手間がかかるサービスをこまめに拾っていき、社会インフラとなった店舗ネットワークを活用し、低コストで対応することで新たなビジネスモデルが生まれた。
また既存の銀行は特定の金融機関と手を結ぶことがあるが、それはある意味で消費者の色分けにもつながる。
S銀行が多数の金融機関と提携することは、小売りで言えば豊富な品ぞろえということであり、消費者の側が選択できる環境を作り出した。
それこそが利便性というものだ。
S銀行の存在意義は既存の銀行に抱いていた不満を解消することだった。
S銀行は既存の銀行が見向きもしなかったところに全勢力を傾けたことにより、存在感を増したのである。
競争が激しい米流通業界の中で、10年に渡って既存店ベースの売上高が前年比較でプラスを続けている会社がある。
1991年に史上最大の企業破綻劇(当時)と言われ、そのどん底からはい上がってきた米S(旧社名S社)だ。
百貨店やスーパーなどに比べ新しい産業に見えるコンビニエンスストアだが、同社の歴史は意外と古い。
同社の起源は1890年にテキサス州で始めた製氷事業だ。
1920年代に入ると自動車の普及で消費者の生活範囲が急速に広がった。
買い物行動も大きく変わり、家庭や業務用の冷蔵庫に入れる氷を販売する拠点が必要になってきた。
1927年にテキサス州ダラスに本社を構えるS社が発足、本格的に氷の販売店の展開をスタートさせた。
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